「何もしない」アドオン作成~最初の一歩~ 【マイクラのアドオンの作り方】

すべてのマインクラフターとアドオン作りの楽しみを共有したい。管理人のぽっちーです。

今回は、マイクラのアドオンを作るときに毎回必要になってくる「何もしない」アドオンの作り方を紹介します。

面白いアドオンも便利なアドオンも最初は「何もしない」アドオンから作り始めるので、まずは何もしないアドオンの作り方をマスターしちゃいましょう。

この記事でわかること

  • アドオン作りのベースとなる「何もしない」アドオンの作り方
  • manifest.jsonのざっくりとした内容
Script APIで作るマイクラのアドオンについて

“Script APIで作るマイクラのアドオン” カテゴリーでは、JavaScript言語を使ったアドオンの作り方を紹介しています。

「何もしない」アドオンとは?

「何もしない」アドオンとは、何もしないアドオンです(管理人の造語です)。ちょっと意味が分からないですね……

なぜ何もしないアドオンを作る必要があるのでしょうか。

マイクラのアドオンは決まったフォルダに決まったフォルダ構成で必要なファイルを設置することで初めてマイクラに「これはアドオンだ」と認識してもらえます

最低限の構成で作ったアドオンは中身が何もないので、実際にマイクラに読み込ませても特別な動きをするわけではありません。ですが、マイクラに「これはアドオンだ」と認識してもらうために必要な、世の中のすべてのアドオンに共通している要素を組み込んだものになるので、今後アドオンを作成する際の良いベースとなります。

アドオン作成のテンプレートと言ってもいいかもしれません。

事前に用意するもの

この記事を読むにあたり事前に用意するものは以下の通りです。

事前に用意するもの
  • Windows OSのPC
  • Minecraft 統合版
  • Visual Studio Code

WindowsのPCにMinecraft統合版とVisual Studio Codeをインストールしておいてください。

完成までの流れ

まず始めに、何もしないアドオン完成までの手順を簡単に紹介します。

開発用のフォルダに「何もしない」アドオン用のフォルダを作る

manifest.jsonファイルを作成する

手順としてはたった2ステップです。初めは難しいと思いますが、慣れると簡単な作業ですので心配はいりません。習うより慣れろって感じです。

何もしないアドオンを作る

それでは完成までの流れに従って、はじめてのアドオン、「何もしない」アドオンを作っていきましょう。

開発用のフォルダに「何もしない」アドオン用のフォルダを作る

まずはアドオン開発専用のフォルダに「何もしない」アドオン用のフォルダを作っていきます。

デスクトップにショートカットを作成する

アドオン開発専用フォルダはマイクラ統合版のデータが格納されているフォルダの奥深くにあり、探し出すのが大変です。

なので、あらかじめデスクトップにショートカットを作成しておきます。今後アドオンを作るときはこのショートカットから開発用のフォルダに移動できるため便利です。

ショートカットの作成方法

デスクトップを右クリックして「新規作成」→「ショートカット」を選択

ショートカット作成ダイアログを表示する

「項目の場所」に%LOCALAPPDATA%\Packages\Microsoft.MinecraftUWP_8wekyb3d8bbwe\LocalState\games\com.mojang と入力して「次へ」をクリックする(長いのでコピー&ペーストすることをおすすめします)。

項目の場所を入力

任意のショートカットの名前を付けて「完了」をクリック(例としてここでは『マイクラデータフォルダ』という名前を付けます)

任意の名前を付けて完了です

デスクトップにショートカットができていれば完了です。

「何もしない」アドオン用のフォルダを作る

作成したショートカットをダブルクリックで開き、さらにその中の「development_behavior_packs」フォルダを開いて好きな名前のフォルダを作成します。ここでは「base」という名前でフォルダを作成します。

development_behavior_packsフォルダを開く

フォルダを新規作成

何もしないアドオンのデータを入れるフォルダ(例としてbase)を作成

これで「何もしない」アドオン用のフォルダができました。この中に特定のファイルを入れることでアドオンとして使えるようになります。

アドオン開発用のフォルダ

アドオン開発用のフォルダは次の3種類です。

フォルダ名内容
development_behavior_packsビヘイビアーパックを開発するためのフォルダ
development_resource_packsリソースパックを開発するためのフォルダ
development_skin_packsスキンパックを開発するためのフォルダ

開発はこれらのフォルダの中に作成したフォルダの中で行います。

manifest.jsonファイルを作成する

「何もしない」アドオン用のフォルダを作成したので、次はその中に入れるファイルを用意します。

といっても、「何もしない」アドオンで作成するファイルは”manifest.json”というファイル1つだけです。

manifest.jsonファイルとは

manifest.jsonファイルとは、マイクラがアドオンを認識するために必要な基本情報が書かれたファイルです。マインクラフトはこのファイルの中身を読み込んで、このアドオン(ビヘイビアーパックやリソースパック)がどのようなものなのかを把握します。

逆に言うと、manifest.jsonファイルがなければマインクラフトはアドオンを認識してくれないということです。

ここがポイント!
  • manifest.jsonファイルとはアドオンの基本情報が書かれたもの
  • manifest.jsonファイルがないとマイクラはアドオンとして認識してくれない

manifest.jsonファイルの作成

では早速manifest.jsonファイルを作成していきましょう。

先ほどdevelopment_behavior_packsの中に作ったフォルダ(例だとbaseというフォルダ)をVisual Studio Codeで開き、manifest.jsonファイルを新規に作成します。

baseフォルダを右クリックし、Codeで開くを選択(Windows 11の場合は右クリック→その他のオプションを表示→Codeで開く)

新しいファイルを作成

manifest.jsonファイルを作成

ファイルを作成したら、以下の内容を書き込みます。

{
    "format_version": 2,
    "header": {
        "name": "何もしないアドオン",
        "description": "これは何もしないアドオンです。",
        "uuid": "00000000-0000-0000-0000-000000000000",
        "version": [ 1, 0, 0 ],
        "min_engine_version": [ 1, 19, 60 ]
    },
    "modules": [
        {
            "description": "何もしないアドオン(data)",
            "type": "data",
            "uuid": "00000000-0000-0000-0000-000000000000",
            "version": [1, 0, 0]
        }
    ],
    "dependencies": [

    ]
}

UUIDの書き換え

次に、uuidの部分を書き換えます。

uuidとは以下のような、自由に作成することができる世界中で重複しない一意の文字列のことです。

UUID(Universally Unique Identifier)とは、ソフトウェア上でオブジェクトを一意に識別するための識別子である。

Wikipedia – UUID – より引用 ( https://ja.wikipedia.org/wiki/UUID )

マインクラフトはこのUUIDによってアドオンを識別します。

上記のmanifest.jsonの例では00000000-0000-0000-0000-000000000000という文字列になっていますが、これはあくまで例なので書き換える必要があります。また、UUIDは自分で勝手に作ると重複が考えられますので、適切な方法で新たに生成する必要があります。

世の中にはUUIDを自動で生成してくれる大変便利なWebサイトがありますので、そのお力をお借りします。

Online UUID Generator Toolというサイトにアクセスし、表示されている文字列をコピーして貼り付けるだけでOK。

例として挙げたmanifest.jsonにはuuidを入力する箇所が2つあるので、ブラウザをリロードして二つのUUIDを取得し、それぞれ貼り付けてください。

Online UUID Generator Toolのサイト( https://www.uuidgenerator.net/ )に移動して「Copy」ボタンで内容をコピーし、先ほどのmanifest.jsonのuuidの部分にペーストします。

manifest.jsonのheader→uuidの部分にペースト
サイトにアクセスし、Copyボタンを押す

header内のuuidに貼り付け
UUID Generator Toolを更新し、同様にmodules内のuuidにもコピー&ペースト
modules内のuuidに貼り付け
完成したmanifest.json
{
    "format_version": 2,
    "header": {
        "name": "何もしないアドオン",
        "description": "これは何もしないアドオンです。",
        "uuid": "92a48dad-87af-491c-b214-26324ac1ca7f",
        "version": [ 1, 0, 0 ],
        "min_engine_version": [ 1, 19, 60 ]
    },
    "modules": [
        {
            "description": "何もしないアドオン(data)",
            "type": "data",
            "uuid": "29aaee09-b006-4f3c-a9c7-120f9d4ae5c1",
            "version": [1, 0, 0]
        }
    ],
    "dependencies": [

    ]
}

これでmanifest.jsonファイルの作成はおしまいです。ここまで作成すればマインクラフトにアドオン(ビヘイビアーパック)と認識してもらえます。

簡単にUUIDを入力するには

UUIDを生成するために毎回外部のサイトに移動するのは面倒です。

Visual Studio Codeの”UUID Generator”という拡張機能を使えば、クリックだけで記載したい場所にピンポイントでUUIDを入力することができます。

以下の記事でUUID Generatorの他にもアドオンを作る際に便利なVSCodeの拡張機能を紹介しています。

動作確認

正しく「何もしない」アドオンが登録されているかマイクラから確認してみましょう。

マイクラを起動して新しい世界を作成し、ビヘイビアーパックの一覧を確認してください。正しくmanifest.jsonファイルが作れていれば「何もしない」アドオンが表示されるはずです。

何もしないアドオンが表示されました。お疲れさまでした。

このアドオンは文字通り何もしないアドオンなので有効化しても何も起こりません。

しかし、今までアドオンを使う側だった自分が、今回の手順でビヘイビアーパック一覧に自分の作ったものを表示させることができたのです。これってすごいことだと思うのは私だけでしょうか。表示されるだけでも感動ものです(個人差があると思いますが……)。

今後アドオンを作る際はこの「何もしない」アドオンをベースに中身を作っていきます。まずは基礎の基礎ができた今日を祝いましょう。おめでとうございます!

manifest.jsonのざっくりとした解説

さて、何もしないアドオンが完成しましたが、manifest.jsonの解説がまだでした。ここで簡単に解説したいと思います。

今回作成したmanifest.jsonには最低限必要な以下のプロパティが含まれています。(2023年3月時点)

manifest.jsonに最低限必要なプロパティ
プロパティ説明
format_versionmanifest.jsonの文法のバージョン。
スキンパックの場合は1を、リソースパック、ビヘイビアーパック、ワールドの場合は2を指定する。
headerアドオンの名前や概要、その他マイクラの画面から見える情報を記載する
modulesこのコンテンツ(アドオン)がどのようなものかを記載する。
マイクラの画面からは見えない情報
dependenciesこのmanifest.jsonが動作するために必要な、その他のパックの指定する。
manifest.jsonの必須プロパティ

また、上記のプロパティは以下のプロパティを含んでいます。

headerに含まれるプロパティ
プロパティ説明
nameこのパックの名前
descriptionこのパックの概要
uuidこのパックを識別するためのUUID
versionこのパックのバージョン
min_engine_versionこのパックが動作する最小のマイクラバージョン
headerに含まれるプロパティ
modulesに含まれるプロパティ
プロパティ説明
typeモジュールのタイプを指定する。
指定できるタイプ: resourcesdataclient_datainterfaceworld_templatejavascript
descriptionこのモジュールの概要を指定する。この部分はゲーム画面から見えない部分なので、任意に記述してOK。
uuidこのモジュールを識別するためのUUIDを指定する。
headerに含まれるUUIDとは別のものにする必要あり。
versionこのモジュールのバージョンを指定する。
modulesに含まれるプロパティ
dependenciesに含まれるプロパティ
プロパティ説明
uuidこのパックが依存している(必要としている)パックのUUIDを記載する。
version依存パックのバージョンを指定する。
dependenciesに含まれるプロパティ

manifest.jsonの詳細はマイクロソフトのクリエイター向けサイトのmanifest.jsonファイルの説明リンク)に記載がありますが、まずはこんなプロパティがあるんだな程度の理解で大丈夫です。いきなり完璧に理解するのではなく、「ふーん」という感じで流すことをおすすめします。

まとめ

この記事ではアドオン作成の第一歩として、何もしないアドオンの作り方を解説しました。

ビヘイビアーパックの一覧に表示されるだけの意味しかないアドオンでしたが、今後のアドオン作成におけるベースとなるものです。

コピペで問題ないので、まずは自分で「何もしない」アドオンを作ってみてください。

次回以降の記事ではこの知識を前提に中身を書いていきます。