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すべてのマインクラフターとサーバーを立てる楽しみを共有したい!管理人のぽっちーです。
今回はMinecraft(マインクラフト、以下マイクラ)のプラグインサーバーである「Spigot」をXserver VPS上に立てる方法について解説していきます。この方法の特徴は、Xserver VPSのマインクラフトマネージャーを使える状態にしたままでプラグインサーバーを立てられる点です。
Xserver VPSを使っている人で、他の記事を参考にプラグインサーバーを導入したけど「マインクラフトマネージャーが使えなくなっちゃった!」とお困りの方には特に刺さる内容かと思いますので、是非最後まで見ていただけると嬉しいです。
この記事はJava版のマインクラフトサーバーについて解説しております。
ちょっとだけ解説させて!Xserver VPSとマイクラのサーバーについて
解説に入る前に、ちょっとだけXserver VPSとマイクラのマルチサーバーついて解説させてください。時間を取らせてしまって申し訳ない!ですが、ここテストに出るレベルで結構重要だと思うんだ。
マイクラのマルチサーバーを立てるためにVPSサービスを契約している方って結構いらっしゃると思います。便利だし、電気代を考えると安いくらいだったりしますからね。
その中でもXserver VPSを契約してるって人、これも結構いらっしゃると思います。バニラサーバーが高速で立ち上がるし、管理画面がサクサク動くし、なんといってもマインクラフトマネージャーが地味に便利ですよね。
ですが、ひとたびバニラサーバー以外のサーバーソフトを導入しようとなると困ることがあります。それはせっかくの便利機能「マインクラフトマネージャー」が使えなくなることです。ということは自動バックアップもできなくなるし、手動バックアップもWebからできなくなる。ネット上のほとんどの記事ではまっさらな状態のVPSにプラグインサーバーを導入することを前提にしているので仕方ないことだとは思うのですが、これだとXserver VPSを使う意味が半減してしまうと思います。
この点をクリアして本記事では「マインクラフトマネージャーも使えて自動バックアップも手動バックアップも、バニラとSpigotの切り替えもWebの管理画面だけでできる」方法を紹介していきます。
まだXserver VPSを契約してない方、他のVPSから乗り換えたい方、サーバーの立て方を詳しく知りたい方は以下の記事で詳しく解説していますので是非ご覧になってください!
Xserver VPSの公式サイトはこちら
Spigotサーバーの立て方
まずはSpigotサーバーの立ち上げ完了までの道のりを見ていきましょう。
まずはXserver VPSでマインクラフトマネージャーを利用できる状態にします。
Xserver VPSの申し込み時にMinecraft Java版のイメージを利用した方や、OS再インストールでMinecraft Java版イメージをインストールした方はこのステップは飛ばしてOK。
流れはこんな感じです。それでは早速Spigotサーバーを立てていきましょう!
STEP1. マインクラフトマネージャーが使える状態でOSをセットアップする
まずはXserver VPSにログインし、VPS管理からマインクラフトマネージャーを利用できる状態のOSをインストールします。Xserver VPSの申し込み時にMinecraft Java版のイメージを利用した方や、OS再インストールでMinecraft Java版イメージをインストールした方はこのステップは飛ばしてOKです。
マインクラフトマネージャーを利用しないでサーバーを立てている方はきっとサーバーに慣れている方だと思いますので、サーバーのバックアップを手動で取っておいてください。
操作するサーバーを選択します。

↓
一度VPSをシャットダウンします。

↓
OSの再インストールをクリックします。

↓
アプリケーションから「Minecraft(Java版)」を選択し、rootパスワードを入力して「確認画面へ進む」をクリックします。rootパスワードは後ほど使いますので忘れないように。

↓
内容を確認して「再インストールする」をクリックします。

↓
「OS再インストールを開始しました」と表示されればOK。

しばらくしたらVPSを起動します。

これでマインクラフトマネージャーが使える状態でのOSセットアップは完了です。
STEP2. マインクラフトマネージャーでバニラサーバーのバックアップを取る
STEP.1を実行した方もスキップした方も、一度サーバーのバックアップを取っておきましょう。Xserver VPSならサーバーのバックアップがかなり簡単です。
STEP.1でOS再インストールを行った方は、マインクラフトマネージャーのパスワードが登録済みのメールアドレスに届いているはずです。マインクラフトマネージャーを開く際に必要となりますのでパスワードをコピーしておきましょう。
(STEP.1を実行した方のみ)Xserverから届いたメールに記載されている『マインクラフトマネージャー』ログイン情報のパスワードをコピーしておく

↓
VPSパネルから「マインクラフトマネージャー」を選択し、ユーザー名に「root」、パスワード部分にコピーしておいたパスワードを入力して「ログイン」をクリックします。


マインクラフトサーバーを停止します。

バックアップタブを選択し、「手動バックアップ」をクリックします。

分かりやすい名前を付けてバックアップします。ここではVanillaという名前でバックアップを取ります。

バックアップ一覧に、今作ったバックアップが表示されていればOK。

これでいつでもバニラサーバーを復元できるようになりました。
STEP3. サーバーソフトを一旦消す
バックアップが完了しましたので、もともと入ってるサーバーソフト(多くの場合はバニラサーバー)を一旦消します。
Xserver VPSのイメージタイプでMinecraft(Java版)を選択すると、/opt/minecraft/server
ディレクトリにバニラサーバーがインストールされますので、このフォルダ内のファイルを、特定のファイルを除き全て削除しましょう。
なお、特定のファイルとは「.version」というファイルです。このファイルがないとマインクラフトマネージャーが起動しなくなってしまうため注意です。
これ以降、ファイル削除やサーバーソフトのダウンロードはSSH接続でVPSに乗り込んで行います。黒い画面に白い文字でドキドキするかもしれませんが、手順通りにやればできますので焦らずチャレンジしましょう!
SSHの接続先はVPSサーバーになりますので、事前にVPSサーバーのIPアドレスを控えておいてください。
IPアドレスはVPSパネルに記載されています。

VPSに接続する
Windowsの場合はコマンドプロンプト、Mac OSの場合はターミナルを開きます。
Win+Rキーを押して「cmd」と入力し、コマンドプロンプトを開く

↓

Launchpadから「その他」→「ターミナル」でターミナルを開く。

↓

↓

ssh -l root [IPアドレス]
と入力してVPSサーバーに接続します。
The authenticity of host '<IPアドレス>' can't be established.
と表示されたらyes
と入力し、その後rootパスワードを入力する。
ssh -l root <IPアドレス> ⏎
The authenticity of host '<IPアドレス>' can't be established.
ED25519 key fingerprint is SHA256:~~~~/isOk.
This key is not known by any other names
Are you sure you want to continue connecting (yes/no/[fingerprint])? ← yesと入力
Warning: Permanently added '<IPアドレス>' (ED25519) to the list of known hosts.
root@<IPアドレス>'s password: ← rootパスワードを入力
Welcome to Ubuntu 20.04.5 LTS (GNU/Linux 5.4.0-128-generic x86_64)
root@<IPアドレス>#
Windowsを複数のユーザーで利用している場合、「Bad permissions. Try removing permissions for user: ~~」というエラーが発生してSSH接続に失敗することがあります。
その場合は以下の手順をお試しください。
%homepath%\.ssh
と入力する






サーバーを削除する
VPSに接続できたら、マイクラサーバーのファイルを削除します。
Xserver VPSでMinecraft(Java版)のイメージを使うと、サーバーは/opt/minecraft/serverにインストールされますので、このディレクトリに移動してファイルを消しましょう。
cd /opt/minecraft/server ⏎
rm -r * ⏎
これで、.versionファイルを残し他のファイルを削除できました。
STEP4. openjdk-17-jdkをインストールする
ファイルの削除が終わったら、Spigotの起動に必要となるJavaをインストールしていきます。
以下のコマンドでopenjdk-17-jdkをインストールしてください。
apt update && apt upgrade -y && apt install openjdk-17-jdk -y ⏎
しばらく待てばopenjdk-17-jdkインストールは完了です。
STEP5. Spigotの起動準備をする
次はSpigotのインストールです。
BuildToolsのダウンロード
Spigotの公式ホームページからBuildTools.jarファイルのリンクのアドレスをコピーします。

VPSに接続済みのターミナルでwgetコマンドを使って/opt/minecraft/server
ディレクトリにBuildTools.jarをダウンロードします。
wgetと打ち込んだ後、スペースを空けてからマウスの右ボタンを押すとURLを貼り付けることができます。
cd /opt/minecraft/server ⏎
wget https://hub.spigotmc.org/jenkins/job/BuildTools/lastSuccessfulBuild/artifact/target/BuildTools.jar ⏎ ← URLは右クリックで貼り付けられます
これでBuildToolsのダウンロードが終わりました。
サーバーのビルド
BuildToolsのダウンロードが終わったら、それを使ってSpigotサーバーをビルドします。
以下のコマンドを打って気長に待ちましょう。
java -jar BuildTools.jar ⏎
Loading BuildTools version: git-BuildTools-15f42f5-156 (#156)
Java Version: Java 17
Current Path: /opt/minecraft/server/.
(省略)
Success! Everything completed successfully. Copying final .jar files now.
Copying spigot-1.19.3-R0.1-SNAPSHOT-bootstrap.jar to /opt/minecraft/server/./spigot-1.19.3.jar
- Saved as ./spigot-1.19.3.jar
Success!と表示されればビルドは成功です。
jarファイルをリネームして一度起動しEULAに同意する
先ほどのビルドでspigot-1.19.3.jar(1.19.3の部分は2023/03/27時点のもの)というサーバー実行ファイルが出来上がりました。
このjarファイルを実行すればSpigotサーバーが立ちあがるのですが、このままだとXserver VPSのマインクラフトマネージャーが上手く働かないため、server.jarという名前に変更します。
mv spigot-1.19.3.jar server.jar ⏎
これで名前の変更は完了です。
つぎに、このserver.jarを一度起動して、EULA(利用規約および エンド ユーザー使用許諾契約書)に同意します。
以下のコマンドでserver.jarを起動して、
java -Xms512M -Xmx1024M -jar server.jar nogui ⏎
生成されたeula.txtファイルを任意のエディタで開き、eula=trueと書き込みます。ここではnanoエディタを使って書きこみます。nanoエディタの場合、ファイルの編集が終わったらCtrl+Oキー ⏎ でファイルを保存して、Ctrl+Xキーでエディタを抜けます。
nano eula.txt ⏎
--- 以下エディタ画面 ---
#By changing the setting below to TRUE you are indicating your agreement to our EULA (https://aka.ms/MinecraftEULA).
#Mon Mar 27 20:00:49 JST 2023
eula=true ← ここをfalse から true に変更
これでEULAへの同意が完了しました。
テスト起動&テスト接続
ここまで来たらサーバーを起動しマイクラから接続することができますので、接続テストしてみます。
ポートの開放が済んでいない場合はこちらの記事を読んでポートを開放しておいてください。
以下のコマンドでサーバーを立ち上げて、マイクラJava版に接続先を追加して接続してみます。無事にワールドに入れたらテストは成功です!
java -Xms512M -Xmx1024M -jar server.jar nogui
マイクラJava版を起動してサーバーを追加し、接続する





接続できることを確認したら、再びVPSのコンソールでstopコマンドを打ってSpigotサーバーを停止します。
[20:21:42] [Server thread/INFO]: potchie lost connection: Disconnected
[20:21:42] [Server thread/INFO]: potchie left the game
> stop ⏎ ← stop と入力してエンター
[20:25:37] [Server thread/INFO]: Stopping the server
[20:25:37] [Server thread/INFO]: Stopping server
[20:25:37] [Server thread/INFO]: Saving players
[20:25:37] [Server thread/INFO]: Saving worlds
[20:25:41] [Server thread/INFO]: Saving chunks for level 'ServerLevel[world]'/minecraft:overworld
[20:25:42] [Server thread/INFO]: Saving chunks for level 'ServerLevel[world_nether]'/minecraft:the_nether
[20:25:42] [Server thread/INFO]: Saving chunks for level 'ServerLevel[world_the_end]'/minecraft:the_end
[20:25:42] [Server thread/INFO]: ThreadedAnvilChunkStorage (world): All chunks are saved
[20:25:42] [Server thread/INFO]: ThreadedAnvilChunkStorage (DIM-1): All chunks are saved
[20:25:42] [Server thread/INFO]: ThreadedAnvilChunkStorage (DIM1): All chunks are saved
[20:25:42] [Server thread/INFO]: ThreadedAnvilChunkStorage: All dimensions are saved
マインクラフトマネージャーでサーバーの管理ができるようにする
ここまででSpigotサーバーの構築は終了ですが、このままだとXserver VPSの売りであるマインクラフトマネージャーが使えません。以下のコマンドを打ってサーバーの所有者を変更することでマインクラフトマネージャーが使えるようになります。
chown -R minecraft:minecraft /opt/minecraft/server
これでやっと起動できる段階に来ました!
Spigotサーバーを起動する
やっと最後のステップ、STEP6. Spigotの起動です。
ここまで来たらあとは楽勝です。マインクラフトマネージャーを開いてマインクラフトサーバーを起動するだけ。

実際に接続してみてください。接続できるはずです。
この方法でSpigotサーバーを立ち上げれば、サーバーの起動、ゲームモード、難易度の変更、ホワイトリストの設定、権限の委譲など様々な設定がマインクラフトマネージャーからできるようになります。
まとめ
この記事ではXserver VPS上にSpigotサーバーを立てる方法を解説しました。この方法でSpigotサーバーを立てればマインクラフトマネージャーを使える状態のままにできますので、是非チャレンジしてみてください!
Xserver VPSはマイクラに特化したVPSサービスを展開しているので、マイクラのサーバーを立ててみたい方には特におすすめです。
Xserver VPSの公式サイトはこちら
マインクラフトのサーバーを立ち上げる際のレンタルVPSの料金比較は以下の記事からどうぞ!
ここから下はあんまり役に立ちそうにない、上級者向けの記事です。興味のある方は見ていってください。
上級者向け解説~Xserver VPSの仕組み~
Xserver VPSのイメージタイプとしてMinecraft(統合版)、Minecraft(Java版)を選択すると、OSセットアップの段階で以下の設定がなされるようです。
- systemd用サーバー起動デーモンの作成・登録・起動(設定ファイル: /etc/systemd/system/minecraft-*)
- マインクラフトマネージャーの配置(/opt/minecraft/manager/manager)および起動
各種デーモンはminecraftユーザーで起動されるため、外部から持ってきたサーバーソフトを単に解凍しただけではファイルのオーナーがrootになってしまうため起動でこけてしまいます。なので解説ではserverに関するファイルの所有者をminecraftユーザーに変更しました。
マイクラのサーバーは典型的なscreenコマンドによる常時実行で、実行ユーザーはminecraftユーザーです。マインクラフトマネージャーと連携し、Web上でサーバーの停止などが行われるとscreen上で動作しているサーバーの標準入力にコマンドが送られる仕組みのようです。(/etc/systemd/system/minecraft-server.service参照)
また、マインクラフトマネージャーはHTTPサーバーを内包する単一のexecutableファイルです。待ち受けポートは60000。
manager起動時に/opt/minecraft/serverディレクトリ内のファイルを走査し、サーバーのバージョンや現在の設定などを取得しているようです。
このmanagerもminecraftユーザーで動かすことを前提としていますので、/opr/minecraft/server配下の所有者がrootだとファイルへのアクセスに失敗しmanagerの起動も失敗するようです。
落とし穴だったのが、/opr/minecraft/serverディレクトリ内の隠しファイル「.version」の存在でした。このファイルが存在しないとマインクラフトマネージャーが恐らく例外を投げてサイレントで停止します。
しかし単純だけど良くできた仕組みですね!